■著者:白丸健二
■発行:不明
■発売:東京日の丸文庫
■虫:ムカデ
「貸本マンガ」という懐かしのジャンルにもむしくいシーンはあるもので、
下北沢の古書店ビビビさんより、こんなマンガを教えていただいた。
タイトルから不穏な空気がビシビシと伝わってくる『百足部落』である。
タイトルから内容を想像すると、
「ムカデにまつわる秘密が隠された部落」とか「ムカデで何やら不思議なものを作って生計を立てている部落」になるのだが、
実際は「ムカデに引っ掻き回された部落」というのが一番正しいかもしれない。
現在このマンガはほぼ手に入らないと思われるのでざっくり概要を説明してしまうと、
捕えられたオオムカデを逃がした少年が、ムカデの精(?)に騙されムカデを食べさせられ
「百足の性質を持つ」怪奇少年になってしまう。
(性質を持つといっても、毒百足を巻き散らすという、人間でも十分できる迷惑行為をするだけなのですがね。
まあウシジマ君的世界では重宝するかもしれませんが)
そして村人を脅し、ケケケケケ! と山へ消えてしまいましたとさ・・・という何ともシンプルかつひどいお話。
そもそも逃がしてくれた少年に、オオムカデはナゼそんな仕打ちをしたのだろうか?
百足の精は言う。
「これがたすけてもらった私のご恩返しなの」
そ、それ恩返しやない。恩知らずや! なんという不条理!
安易に人助け(虫助け?)なんてするもんじゃないという道徳マンガだったのか・・・!?
とにかくヤマゴボウと間違えて、ムカデを食べたりしないことです。なかなか間違えないけれど。