夜中、森でカマドウマを捕まえた。

本種はマダラカマドウマ。
人間には極めて無害にも関わらず、便所コオロギだのオカマコオロギだの、人々から不名誉な渾名を付けられてヒジョーに不憫なカマドウマ様。
「マジキモい!」とか「生理的にイヤッ!」と条件反射的なスピードで色々言われるのは、体のアンバランスさや、異常な脚力でピョンピョン飛び跳ねる不気味さが相まっているからだろうか。
9月のこの時期になってくると、大きくてプリッとしたカマドウマが、暗くてジメッとしたような木の穴ぼこや、溝のような場所にちらほらいるのを見かける。
さて、食べてみるとしよう。
どんなに陰口叩かれようが、オレはその独特なフォルム、
マッシブな後脚が好きだぜ。カマドウマさん。
フクザツに料理すると素材の味がぼけてしまうので、沸騰したお湯で塩茹でにするのがよろしい。寄生虫のハリガネムシの心配もあるので、しっかり加熱していきましょう。生食は危険です。
カマドウマがお湯に触れた刹那、生命の危機を感じたのか、足を自ら捥いでしまった。(いわゆる自切?)
できあがり。足は両足とも捥げてしまった…
長〜い触角と、クネっと丸まったボディラインが、エビを彷彿とさせる。
いただきます。
まず頭からひと口、噛んでいると主張の強い旨味が溢れる。
これはコオロギとよく似た風味で、魚介に近いような旨味。
ただ雑食性ゆえなのか、体が大きいからなのか、雑味も若干アリ。
濃い「旨味」を味わっている最中に、
ささやかな「雑味」が纏わり付いてくる感じだ。
…2日絶食させてフン抜きをしたのになぁ。
ここら辺の雑味は、カラッと揚げるとだいぶ解消されるような気がする。
旨味の中でも特に後ろ脚の筋肉は旨味の塊だった。
あの驚異的な跳躍力を秘めたるカマドウマ様の生命力を大いに感じさせる野趣溢れる味である。
食べ応えバツグン!旨味満点!といったダイナミックな印象だった。
今回わかったこと…カマドウマは美味い。
ということで、今回もごちそうさまでした。
※カマドウマに限らず虫を食べる際は、加熱調理を徹底しましょう。
また、エビカニアレルギーの方は症状が出やすいので要注意。
【カマドウマ】
総合点…100点中85点