レシピ

妙薬 『孫太郎虫(ヘビトンボ)串焼き』を作って服用してみたよ

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日本の古くからの民間薬で『孫太郎虫』なるものがある。
その『孫太郎虫』の正体とは、『ヘビトンボ』という水生昆虫の幼虫。

ヘビトンボ幼虫。

こちらはヘビトンボ成虫。トンボじゃなくて、アミメカゲロウ目のようです。

この虫は、川の清流の石の裏なんかでよく見かける、ざざ虫の一種。
そのムカデっぽい見た目から川ムカデとも呼ばれているそうです。

アゴがかなり発達しているので、噛まれるとかなり痛いので注意。
(筆者は、何度か指を噛まれて、『うぎゃ〜!』となった。…読んでくれている方の中に、小さめのクワガタに指をガッチリ挟まれた経験のある方がいれば、その感覚にやや近いかも。)
『ヘビ』と名前がついていますが、幸い毒はないので、噛まれても死んでしまうことはないそうです。
このヘビトンボ幼虫、日本では古くより生薬として用いられた歴史があるそうな。特に宮城県の刈田郡斉川村などで有名であったらしく、子どもの疳の虫(夜泣き、癇癪などの神経由来の症状)に効くとされる民間薬として出回っていたらしい


現在はどこにも販売していない幻の生薬となってしまっているっぽいから、そういうのも相まって、なんとも味や効能が気になってしまっている…食べたい。

ということで、生薬『孫太郎虫』を自分なりに再現してみたい。

生薬 孫太郎虫を作ってみよう

いろいろ調べてみると用法・用量は、『1日に1回、1串5匹の砂糖醤油で味付けした串焼きを食する』らしい。
川の中流あたりで捕まえてきたヘビトンボ幼虫5匹を茹でて、外で乾燥させます。冬の寒いこの時期は、腐りにくいので干物づくりにはもってこいですね。寒い。

3日後。カラカラになったヘビトンボ幼虫。

うぉぉ…なんか一気に漢方チックになったというか、
まるで冬虫夏草のようなドライな質感になりました。

お次は、砂糖醤油に浸してみます。

幼虫の体にまんべんなく味を付けたら、串に刺して、オーブンで焼こう。

 

うぅむ…串に刺すのがむずかしい…(あぁ、上から3匹目の頭が取れてしまった。不器用…)


できあがり。

せっかくなので、夜泣きのある子どもに実際に服用してもらってその効果を見てみたいな…と考えたりしたけれど、さすがに無理やり子どもにヘビトンボを食べさせるシチュエーションは、なんとも可哀想に感じるのでやめとこうw

『ハーイ、アイムチャッキー。君の疳の虫を黙らせに来たよ。』

我が家には、ギリコさんから借りているチャッキーがいるので、ヘビトンボを持ってもらい、玩具の赤ちゃんに食べさせてもらう。(再現のつもり)

こんな親は嫌。

ママァ〜ッ!チャッキーが無理やりヘビトンボを食べさせに来るよォ〜ッ!

 

昔、孫太郎虫を親に食べさせられていた子どもは、何を思ったんだろうかね。

 

ついつい面白くなってしまって、遊んでしまいました。
そうだ、味を確かめないと話が進まないですね。
孫太郎虫、いただきます。

『ザクザクッ!』と軽快な歯ごたえ。ふにゃっとした感じは一切ない。
ざざむしの佃煮とは打って変わって、ドライな食感ですね。

味のほうですが、どことなく磯の生き物に近い風味、香りを感じました。
たとえると、醤油を垂らした焼き海苔のような。ウニのような。
トビケラやカワゲラなどの他のざざ虫にも言えるような、いわゆる川の藻のような風味ですが、特に香りや味が強いですね。そして噛めば噛むほど、そこそこ強い旨味が出てきます。
『生薬』という響きから苦さを連想しましたが、なかなか美味いのでこりゃあ意外。干したから旨味が増したのかな。

どうやら成分分析も行われているみたいで、多種類のアミノ酸が豊富に含まれているんだとか。子ども限定で服用する以外にも、大人の場合でも疲労回復や虚弱体質なんかにも効果があったりして。
(私は効能などに関してド素人ですので、効果はなんも保証できませんが…)

しかし栄養価があるからこそ、長い間、人々に伝承されてきた妙薬になったんだろうなァ〜、と自分なりに思うことはできましたかな。

ごちそうさまでした。

 

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この記事を書いた人
むしくい

昆虫食愛好者(と言いつつも、肉も魚もいろいろ食べる。)
祖父母の影響で、幼少期に生け捕りのハチの子を炒めて食べるなどして、昆虫食に親しんだ。

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