漫画虫カルチャーレビュー

世にも奇妙な昆虫交尾『恋愛虫毒』

恋愛虫毒
■著者:御景椿
■発行:2008年
■発売:リブレ出版
■虫:セミその他

虫フェス番外編超満員御礼! だの
1月はジュンク堂池袋店でパネル展をやりますよ! だの、
ご報告させていただきたいことはたくさんあるのですが、
ここ数日“昆虫交尾”なる言葉がネット上で飛び交っているようで、
ついこちらの虫BL漫画を思い出してしまったのでご紹介を。

『恋愛中毒』(御景椿/リブレ出版)

このマンガでは虫は100%人間の姿で描かれ(脚の形が違う! とか指摘されなくってイイネ★)、
人間×ゴキブリやコガネグモ×シジミチョウなど、驚異のカップリングが成立している。

そもそも異類婚姻譚というものは日本神話や民話の中でさんざん描かれているので、
こんな設定ありえん! フンガー! とケチをつけるつもりはないのだが、
それでもさすがに言ってることとやってることがメチャクチャすぎて“こりゃないわー!”となるのが、
これに収録されている『よりどり恋みどり! ~4匹目~』なんである。

ある夏、引きこもり男子のもとへ突然半裸の男が現れ「交尾しにきた」と高らかに宣言する。
主人公は当然のこと、読んでるこっちも意味が分かりません!

なんでも半裸男は「蝉」であり、成虫の時間は短いから“今すぐ”“なるはや”で交尾させろとせまってくるのだ。
(とっても困るね!)

蝉が何故人間の姿になったかはさておき(と言うか読者への説明は一切無いが)
オス(男)と交尾してる場合じゃないじゃん……じゃなくて、蝉と交尾することを頑張ってください……。

それでも主人公は徐々にまっすぐな蝉男にココロ惹かれ(えええ)、
最後はめでたく(?)フォーリンラブ。交尾できてよかったね、蝉! 

物語は以上です。なんてシンプル。

全編虫が擬人化された虫BL漫画を1冊読むだけで、驚きの脱力効果をお約束! 
虫描写のあんなことこんなことが気になって仕方がないという人は、ぜひ『恋愛虫毒』をご賞味ください。

created by Rinker
¥1,725 (2024/11/05 16:54:57時点 Amazon調べ-詳細)
この記事を書いた人
ムシモアゼルギリコ

フリーライター歴20年(※虫関連の記事以外、基本は別名義)。
2008年頃から昆虫料理研究会(内山昭一主催)に参加し、“虫食いライター”としての活動を始める。
TV、ラジオ、雑誌、トークライブ等で昆虫食の魅力を広めているほか、映画やバラエティ番組などに登場する“虫食いシーン”の、調理サポート等も行う。

ムシモアゼルギリコをフォローする
ムシモアゼルギリコをフォローする
タイトルとURLをコピーしました