大きなジョロウグモのメスを捕まえた。
メスはオスに比べて最大5~6倍もデカいのだというから、「女郎」の名は伊達ではないような。交尾後にメスに食われる運命にあるオスは、人間で例えるならば、かつての高級遊郭で遊女に弄ばれている男性客のようなイメージ?
ネーミングの由来はそっから来てるのかな。
メスのジョロウグモは真冬前に卵を産んで死んでしまうらしく、11月上旬の今のシーズンは、ジョロウグモをお目にかかれる最後のチャンスだろう。
旬の味ということで、いただきます。
今回は本来のクモ味を吟味すべく、味付けせずに茹でる。
過去に何度か食べた事はあるのだけれども、初心に還って素材の味を楽しもう。
クモはチョコレートの味!とか聞く事があるが、実際のところはどうかな。
茹で上がった。腹部の模様が薄くなった。
熱を加える事で、体内で何かしら反応が起きたのかしら。
腹部はまるで豆のような形。
腹部は弾力があり柔らかく、「ムニュッ」とした感じであろうか。
クモの糸は、フィブロインというタンパク質が素材らしく、腹部にこの素材液体がたっぷり貯蔵されている。だから、クモを食う=クモの糸を食うといっても良いのかもしれないですネ。
腹部はとても旨味が強くて濃厚。口どけもなめらか。ややほろ苦い。食感と味を食べ物で例えるならば、動物の内臓肉、もっと細かいところで言うとレバーが個人的にはしっくりくる。
レバーといったら、独特のクセや臭みを想像するけれども、ジョロウグモはレバーほどのクセはない。味わうごとに枝豆、ひよこ豆のような植物系の旨味も強く感じる。以前タランチュラを食したことがあったけど、こちらの腹部はカニミソっぽい感じだった。クモ類は総じて、味わいが内臓系っぽいのかな。また、他の種類もいろいろ食べてみたい。
脚はやや硬いので、食べずらい方は取って食べるのが良し。私は脚もエビっぽく美味しく食べられたけど、こちらは食べ方に好みが分かれる部位だと感じる。
〜ジョロウグモを食べて分かったコト〜
・腹部は豆風味のレバーっぽい味と食感。
・脚部は味が薄くて、やや硬い。
・揚げるより茹でるとより豆風味らしさが顕著。
・腹部は毒々しい模様の豆みたいなビジュアルが素敵。
ということで、今回もごちそうさまでした。