ゲーム小説、絵本その他虫カルチャーレビュー

『こびとかるた』

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■著者:なばたとしたか
■発行:2009年
■発売:長崎出版
■虫:セミ

美味い虫をピンポイントで狙う

こびとの虫食い力!

セミは美味い。セミは美味い。騙されたと思って食べてみろ。

そううわごとのように唱え続けてきたわたくしの手元に、1年前の冬、こんな運命のカードがやってきた。

このパープル野郎「セミグルメ」は、 シリーズ累計20万部を超えるベストセラー「こびとづかん」に登場するこびとだ(画像は”こびとシリーズ”である「こびとカルタ」のもの)。
「セミグルメ」は夏にセミを食べるためだけに現れるこびとで、 頭のさきっぽから味つけ液を出し、地中の幼虫に下味をつけておくのだと、「こびと大百科」で説明されていた。虫食いは、セミグルメも追わなくては。

「こびとかるた」は、ストーリーのある「こびとづかん」とは一味違い、何種もいる小人それぞれの特徴が、韻を踏みつつ強烈なインパクトで紹介される。

こんなカルタ、とるたびに腹がよじれてゲームにならない! 小さな額に入れて廊下の壁にズラリと飾り、横を通るたびに笑いたい。

虫を捕食するという発想はもちろんのこと、とびっきり美味しい虫=セミを捕まえるというのが素晴らしいですね。

1点だけ残念なのが、教育的配慮からか、「死んだ成虫を捕まえて食べる」という点。

羽化直前の幼虫のほうが美味しくってよと、どなたかなばた先生かセミグルメたちにお伝えください。


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この記事を書いた人
ムシモアゼルギリコ

フリーライター歴20年(※虫関連の記事以外、基本は別名義)。
2008年頃から昆虫料理研究会(内山昭一主催)に参加し、“虫食いライター”としての活動を始める。
TV、ラジオ、雑誌、トークライブ等で昆虫食の魅力を広めているほか、映画やバラエティ番組などに登場する“虫食いシーン”の、調理サポート等も行う。

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