「ごらんよ! 僕の弁当はあおむしさ!」
声に出して読みたい日本語(古い?)。もし自分がひとつ選べと言われたなら、間違いなくこの台詞でしょう。
さて、前出の台詞は、つのだじろうの短編「虫」に登場する「青虫弁当」。
いじめっこにお披露目する際に、主人公・青野君がここぞとばかりに繰り出すキメ台詞だ。
白いごはんに色鮮やかなアゲハ幼虫のグリーンがはえる魅惑の青虫弁当は、1日数食限定の料亭弁当でもなければ、ご当地弁当でもなく、「虫の崇り」を受けた選ばれしもののみ、食せる弁当! そうですね、実際にあったらこんな感じでしょう。
ラストシーンでいじめっこの弁当に「こんにちは」する単体バージョン。
青虫三昧の食生活を約束する、いいラスト!
青野君が食べていた「青虫弁当・中期」はコレくらいですね。多分。
(火を通し過ぎ、青虫がぺちゃんこになってしまったのが痛恨のミス)
「うん、意外とナンプラーが合うぞ」
「外国の野菜と、相性がいいんじゃないかな!」
初めは青虫に驚愕して飛び上がっていたものの”食べ慣れると案外おいしい”と、前向きに青虫食いをこなしていた青野君のことだから、きっと毎日の弁当もバリエーション豊かな味付けを楽しんでいたに違いない。
青野君と一緒に弁当を食べたなら、ぜひおかずのとりかえっこをしてみたい。
「ごらんよ、今日の青虫はエスニック風さ!」
青野君って、弁当男子なのね! 素敵!
スミマセン。そんなラストはありません。こちらの素敵なオリジナル青虫弁当は、虫フェスでリアルな虫イラストをお披露目してくれた、横山 拓彦さんの作品でした。
食欲がかきたてられる新・青虫弁当。
今年はこのイラストくらいふっくらムチムチのまま、上手く青虫に火を通すワザを身に着けたいものです。