昆虫怪獣ノコギリン 

「甲虫怪獣ノコギリン」への異常な愛情あふれるmixi日記を拝見したので、

ご本人の許可を頂戴して転載させていただきました!

『光の国』アイテム日記『怪奇!殺人甲虫事件』

『帰ってきたウルトラマン(71年)』第26話『怪奇!殺人甲虫事件』より
昆虫怪獣ノコギリンの、虫状態と怪獣状態。

 

 

でもまぁ、今更なんで紹介するかっていうと
リペイントしなおしたんですよ。
どこぞの誰かが同じアイテムを、凄く間抜けな塗りなおししちゃったんで
「あぁああぁ……」ってこのソフビがかわいそうになっちゃいまして(笑)
「アドリブドライブラシモンタージュ理論くん」にお手本を見せて差し上げようと
まぁそういう按配で塗り上げました。
ポイントは「目は手ェ抜くとこじゃねぇよ(笑)」ですです。

ノコギリン

 

宇宙昆虫の巨大化怪獣・ノコギリンは、70年代後半に旧ポピーが展開していた
ソフビブランド・キングザウルスシリーズのノコギリンを、撮影に使用した。

筆者の再現特撮では、主としてまずはバンダイウルトラ怪獣シリーズが基本としてあり
そこで発売されていない怪獣は、ブルマァクやキングザウルス、怪獣郷などから選び
どうしてもそちらにない場合は、マーミットやベアモデル、X-PLUSの大怪獣シリーズを
選択肢に取り入れて構成しているのは、もう皆さんはご存知だと思われる。

なのでケースによっては、バンダイでは出ていなくても
ブルマァク復刻版とキングザウルスで被って出ていて
その二種のどちらかの選択を、迫られたりする怪獣ソフビもときとして存在している。
そういった例は、ガボラやゴルドン、アーストロンやテロチルス
ムルチ、マグネドン、ガラン、ライブキングなどで見られるが
キングザウルスもブルマァクも、造形やサイズにバラツキが見られるために
一概に、どちらかのシリーズを優先して選択すると決まっているわけではない。
ただ、傾向としては「サイズのブルマァク、造形のキングザウルス」があり
そんな中では、造形的には甲乙付けがたいムルチやテロチルスなどは
ウルトラマンと並べた時のサイズの問題を最終判断に汲み入れて
ブルマァクの側を選んできていた経緯があった。

 

造形の平均値としては、70年代初頭のブルマァクよりは
さすがに80年代に跨る時期に作られた、キングザウルスの方が勝ってるアイテムは多い。
しかし、そのサイズの小ささゆえで泣く泣く使用を見送ってきたケースは少なくない。
例をあげれば『ウルトラマンA(72年)』『3億年超獣出現』のガランなどは
ブルマァク版よりもキングザウルスの方が格段に優れた造形だったのだが
キングザウルス版は、あまりにもそのサイズが小さかったので使用を断念した。
(キングザウルス版ガランは、特に小さいサイズで作られているため
一時期の食玩の究極大怪獣程度しか大きさがない)

そういった中で、ブルマァクとキングザウルス、どちらにするべきか
最後まで迷ったのが、本話のノコギリンと『怪獣は宇宙の流れ星』のマグネドンだった。
この2体に関しては、本当にブルマァクとキングザウルスでは優劣が付けがたい。
造形的な優劣でいえば、僅差でキングザウルス。
サイズの優劣でいうと、これもまた僅差でブルマァク。
しかしノコギリンの場合は、サイズ的にはギリギリ許容範囲内だったので
キングザウルス版の方の造形の良さを決め手にして選択した。
(ちなみにマグネドンの場合は、逆にサイズがギリギリ許容範囲以下だったのだが
造形、特に巨大な赤い角などの見栄えが勝ってキングザウルス版に落ち着いた)

 

そのキングザウルス版ノコギリンであるが
それなりに造形的にも佳作であり、サイズではむしろ勝ってるはずのブルマァク版を
押しのけて採用する価値が有るほどに、その造形はハイレベルである。
シルエットや各パーツのバランスや配置、ラテックスの皺まで再現したディティール等
まさに(たまに旧作ソフビへの賞賛で見かける常套句として語られる)
「このまま現行のバンダイウルトラ怪獣シリーズに
混ざって陳列されていても遜色がない」クオリティであるといえるだろう。
(確かに、ノコギリンの一つの特徴でもある「足の踵の先の逆爪先」がこのソフビでは
再現されていないという難点はあるものの、それはブルマァク版でも同じであるし
ノコギリンの再現特撮ではあまり気にならない要素でもあるので、許容範囲と判断)

 

(旧ポピー キングザウルスシリーズ ノコギリン 商品状態)

確かにスケールで換算するとキングザウルス版は、ウルトラ超合金よりも少し小さめだが
そのおおぶりの金の角の大きさが見栄えをして、体格差を埋めてくれた。
可動によるポージングの幅も基本どおりで演出しやすく
ノコギリンの立体アイテムとしては、現在の目で見ても及第点であろう。

今回は、そんな良アイテムを、さらに劇中着ぐるみに近づけるべくリペイント。
まずはノコギリン独自の体色を再現するため
ミッドナイトブルーにニュートラルグレーとマルーンを混ぜた色で全身をくるみ塗装。
顔の中心にある菱形(?)っぽい部分だけは、ボディ全体とのコントラストを出すために
基本色のミッドナイトブルーに対して、マルーンだけを混ぜた色で塗装。

 

眼球は、銀で塗った上にクリアイエローで塗装して
さらにそこにクリアレッドで、独特の(太陽のマークのような))放射状を描き
その中心はは、やはり銀とクリアイエローで円を描き、太陽の形と共に縁取りを黒で描き、
その枠内をクリアレッドで塗るという、このサイズで出来る範囲で
ノコギリン独特の目を、筆者に出来る範囲で再現してみたがどうであろうか。

 

その他、角や背中の甲羅や腹部の模様、爪等はそれぞれ
モンザレッド、シルバー、ゴールド、ニュートラルグレー等で、劇中同様に彩った。
背中や腹部の極彩色を目立たなくさせるために、背面と腹部に黒を軽くスプレー。
また、アクセントを演出するため、足元だけは「セットの土埃で汚れた感」を出そうと
ウッドブラウンを軽く吹いてみた。
最後には全身を墨入れを入れて、眼球と角だけを除いて艶消しを吹いてある。
ノコギリン(昆虫状態)

劇中序盤でサスペンスフルにドラマを彩る宇宙甲虫は
筆者がたまたま100円ショップで目に付いた
子ども向けの昆虫玩具をニコイチでカスタムしたものを撮影に使用した。

 

(『戦え! ムシ戦士』 パッケージ)

もとの商品状態を撮影する前にカスタムしてしまったので
写真はパッケージしか残っていないのだが、こういう玩具は100円ショップの本領。
パッケージには『戦え! ムシ戦士』とあり、メーカーは㈱ユーキとなっているが
どちらも筆者は語る知識を持ち合わせていない。
ここからは筆者の推測だが、この商品はそのタイトルが示すとおり
如実に、2000年代初頭にゲーム会社のセガが流行させた
トレーディングカード・アーケードゲームの『甲虫王者ムシキング』の便乗商品であり
いわゆる昔の怪獣ソフビでいえば「パチソフビ」に類するアイテムであろう。
ムシキングブームは、実在する甲虫をそのままゲームキャラとして扱うことで
児童層によりそのまま甲虫ブームへと繋がったのだが
その影響からか、比較的リアルな昆虫・甲虫であれば
当然そこには著作権などはないのだから、簡単に便乗商品が成立したというわけである。

推測だけで物をいうのもあまりおとなげないので、実際の商品の解説に移るが
商品は、カブトムシとクワガタの1種類ずつ2個セットで成立している。
その組み合わせは複数存在しているのを確認したが
今回は(あくまで心象レベルで)一番劇中の宇宙甲虫に似ているセットをチョイスした。
本話の劇中に登場する宇宙甲虫は「三本角」が特徴であるため
クワガタをベースにして、そこへカブトムシの角を移植するだけで
簡単に「三本角の2千円クワガタ」がでっちあげられるわけであり
細かく(劇中のミニチュア甲虫との)ディティールなどを検証すれば差はあるのだが
雰囲気としては、たった100円でちょうど良く揃う仕様はありがたかった。

筆者は昆虫に詳しくないので正確性は保障できないが
おそらくベースとなったクワガタとカブトムシは
ミヤマクワガタとゾウカブトムシと思われる。
今回は、そのミヤマクワガタをベースに、ゾウカブトムシの角を移植して
ノコギリン同様、ミッドナイトブルーとモンザレッドと、金と銀で塗装をして
本編演出に使用した。

(text by 市川大河)

 

この記事を書いた人
ムシモアゼルギリコ

フリーライター歴19年(※虫関連の記事以外、基本は別名義)。
2008年頃から昆虫料理研究会(内山昭一主催)に参加し、“虫食いライター”としての活動を始める。
TV、ラジオ、雑誌、トークライブ等で昆虫食の魅力を広めているほか、映画やバラエティ番組などに登場する“虫食いシーン”の、調理サポート等も行う。

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