■著者:西たけろう
■発売:レモンコミックス(立風書房)
■発行:1978年
■虫:蛾、カブトムシ
えー アノ映画そのまんま・・・!
なんてことはどうでもよくなる爆笑変身劇
劇画タッチで怪しいムードを醸し出す『吸血蛾人』は、
鱗粉でむせかえりそうなので半径3m以内は近寄らないでいただきたい蛾人間に変身するというSFマンガだ。
変身のいきさつは、物質を原子に分解&再生することで空間移動を可能にした装置に虫が紛れ込んで・・・・・・ってそれ、
映画の『ザ・フライ』、つまりは『蝿男の恐怖』そのまんまじゃん!
流行をストレートに取り入れすぎだというつっこみはさておき、虫人間に時代を感じるというオモシロがここに。
ただしこちらの変身は、虫に猫も加えた三位一体ボディというのが凄い。
虫! 猫! 人間! というシュールな合体姿に腹の皮がよじれ、その後新たに生まれる吸血蛾人間ベイビーとか、
大群で襲ってくる蛾の謎とかがどうでもよくなってきてしまう。
さらに蛾人間ベイビーの陰謀で改造された“カブトムシ女”の変身姿も必見。
肩から上がカブトムシ+首から下は人間という被り物状態なのだが、
やたらスタイルのいいボン・キュッ・ボンなカーヴィボディの無駄な女っぷりには、笑いを通り越し、もののあはれすら覚えます。
どの虫人間も、すぐに硫酸やら火やらで死んじゃうのが非常に悔やまれるほどのインパクトだ。
ところで“蛾ベイビー”って、本当はもっとこう芋虫的なさあ……ってモンスターだからいいんですね。はい。
※レモンコミックスはすべて絶版していますが、古本屋やネットオークションに出品されていることもあります。
意外とキュートなカブトムシ女!