レシピ

【昆虫食】カブトムシ幼虫をおいしく食べたい。幼虫VS発酵パワー篇

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カブトムシは、やっぱりマズい。
前回なんとか美味しく食べようとスパイス料理、トムヤムクンの力を借りたが、それを上回るカブトムシの強烈な土臭さの前に、私は敗れ去った。

前回のカブトムヤム。

ただ、このまま「マズい」の1言で片付けるのは、なんともかなしい。
もともとのどうしようもねぇ捻くれ精神からかもしれないが、
うまいモノより、まずいモノほど探求してみたい気持ちが湧いてしまう。
そこで記事を読んでくださった友人の料理人の方に「発酵」が有効なんじゃないか?とアドバイスを貰った。

そうか…。発酵。酵母菌や微生物のエネルギーを使ってカブトの土臭さを分解し、純粋な美味しさに転化できれば、たちまちカブトムシは美味しくなるかも。
そう思って、色々使えそうなものを買ってきた。
ヨーグルト、ぬか床、塩麹などなど…


これらの発酵食材の力を借りて、カブトムシを美味しくしたい。
絶望的な不味さに対して、かえってやり甲斐を感じて我が心は燃えていた。
いざ、調理開始。リベンジマッチである。

1.カレーカブトムシ ヨーグルト+カレー粉

まず今回使う3匹、今回はすべてフン抜きをしてしまう。


下ゆでしたのち、お尻の部分に切れ込みを入れて、そこからフンを出していきましょう。

フン抜き後。

ヨーグルト、カレー粉、塩胡椒、ローズマリーを混ぜたものを袋に入れて、カブト幼虫を3日間漬け込みます。

これが、カブトムシA。カレー味のカブト。


 

2.ぬか漬けカブトムシ ぬか床に眠る幼虫


糠床を体内にまでパンパンに詰めて、カブトの土臭さを取っていこうという作戦。


ぬか床が自然界の土のごとく、カブト幼虫を包んでくれる。
美味しくなっておくれ。3日間寝かせます。

これが、カブトムシB。カブトムシのぬか漬け。

3.塩糀カブト 糀の力で美味くなれ。

しぼんだ体内がパンパンになるまで、塩糀を詰め込みます。

こちらも3日間、寝かせます。
これがカブトムシC。 幼虫の塩糀漬ですな。

3日後…。 カブトムシ覚醒の刻。

あれから3日後。冷蔵庫から、3種のカブトムシを出すときがきました。


それぞれのカブトを出してみた。

おぉ。それぞれのカブト幼虫に、変化が見られる。
1匹ずつ、観察しながら食べてみます。

まず、カブトA。カレーカブトから。


うぉぉ…見事に体の色がカレー色にきれいに染まったようで。
色からしても、格段と旨そうになった。
どんな味がするんだろう。いただきます。
まず一口。皮を噛みちぎる。
うん、カレー風味だ。こりゃあうまい。
普通に食える。あれ…土の味が一切しない。
あろうことか、あの土臭さが消え失せた。
カレーとヨーグルトの効果で、カブトのエグみが見事に消えてしまったのだ。
ただ、パンパンに詰まったフンを抜いたので、味わえる部分がほとんど皮…。

お次は、カブトB。ぬか漬けにしたカブト幼虫。

ぬか漬けカブトのほうは、外見にははっきりとした変化はないけれど、塩分によって、ほどよく脱水された感じ。

いただきます。
一口。カレーカブトと同じく、こちらのカブトも土臭さがない。
それどころか、皮の部分に旨味すら感じる。
ぬか漬けのあの深いおいしさ。うまじょっぱい感じ。
きゅうりのぬか漬けと同じく、ぬかに含まれる乳酸菌が、カブトムシをほどよく分解して、旨味を増幅させたのかしら。


最後にカブトC。塩麹漬けはどうかな。

これは…!めざましいほどに、肉質がプリっとしている。

よく鶏肉や魚を塩糀につけても肉質にハリが出るけれど、
カブトムシも例外じゃあなかったんだ。菌の力ってすげぇ。
いただきます。

皮を一口食べる。
もともと硬いカブトの皮も塩糀の力で、ふにゃっと柔らかくなっている。
他のカブトより、食感がプリッとしていて良い。
ほどよい塩加減と旨味がカブトの体内に染みて、普通に食べられる。うまい。
そしてこちらも土臭さが解消されていた。雑味がない。

てことは、すべてのカブト幼虫が、土臭さを解消できた。
そして3匹とも、マズいと思わずにすべて平らげることができた。

カブトムシ幼虫最大の難関であろう、土臭さ問題を解消することはできたが、あとの残された問題は、フン抜きをするとペラッペラになって、ほとんど皮になってしまうこと
とすると、カブト幼虫をおいしく食べる際は、皮をいかにおいしく食べる他ないのかもしれない…。
皮に何か詰める?手羽餃子のような、カブト餃子っていう発想もある。
また、カブトは幼虫から蛹になるときに、体内のフンをすべて出すらしいから、蛹をおいしく味わうことができるかも知れない。

マズいからこそ、奥が深い。
ということで、今回もごちそうさまでした。

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この記事を書いた人
むしくい

昆虫食愛好者(と言いつつも、肉も魚もいろいろ食べる。)
祖父母の影響で、幼少期に生け捕りのハチの子を炒めて食べるなどして、昆虫食に親しんだ。

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