外来種 フェモラータオオモモブトハムシは杏仁豆腐の香り。


今回は、食べられる外来種を紹介。
以前、タケオオツクツクという埼玉にいる外来種のセミを捕まえて食べたが、ほかにも食べられる外来種はまだまだ日本国内にいる。
三重県 松坂市を中心に異常繁殖し、近頃分布を拡大させているという外来種、フェモラータオオモモブトハムシ。(名前がやたら長くて面倒くさいから、以下フェモハムとでも本記事では呼ぶことにしよう。)
2〜3月上旬は幼虫だが、春が近づくにつれて蛹になり、6月頃に羽化するのだという。成虫は、まるでニッカポッカを履いた鳶職人のような見た目の、発達した太腿が特徴的な甲虫になる。

こんなの。

原産国は東南アジアの熱帯地域らしいが、どうやらペットとして違法に輸入された個体が、日本に住み着いてしまったのだという。周りのフェモハムを食した人々は口が揃えて「幼虫は杏仁豆腐の香りがして美味い!」と言うので、その実態を確かめるべく、三重県松坂市にレッツゴーという経緯。

 

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フェモラータオオモモブトハムシを捕まえよう

野食家の茸本朗さん主催のフェモハム採集会に混ぜていただく。
三重県松坂市の河川敷にて、主な食草であるマメ科植物の葛(クズ)を探す。

フェモハム幼虫は、クズの蔓に虫こぶ(通称ゴールと呼ばれるらしい)を作って成長する。虫こぶが見つかれば、幼虫が中にいる可能性大。

クズの蔓にできた虫こぶ(ゴール)

河原には葛の蔓がいたるところに伸びており、ところどころが膨らんでいるので、そこを枝切りハサミでバチンバチンと切っていく。

虫こぶを割ってみると、中に卵のような形をした繭が出てくる。

この繭をパキパキ指先で割っていくと、中に幼虫がいるのです。

繭から出てきたフェモハム幼虫。

幼虫の質感は、思った以上にフニャフニャで柔らかい。虫こぶを割るときに、ハサミなどで幼虫を巻き込んでしまうと潰れて即死してしまうので、少し注意しながら割っていこう。

1つの虫こぶの中に何匹もいることも。

めちゃくちゃとれた。

ボーベリア菌に侵蝕されてしまった幼虫。

フェモラータオオモモブトハムシを食べよう

爆発的に増えているフェモハムの生息域を拡大させないためにも、採集した場所で生体を加熱調理することを心がけよう。近年では、松坂にとどまらず、名古屋のほうにも生息域を広げている。

あと、採れたては杏仁豆腐の香りがしない
というのも、加熱処理後、3~4日ほど冷蔵して初めて杏仁豆腐っぽい香りがし始めるのだという。

実際に茹でたフェモハムを3日ほど冷蔵庫で寝かせてみることにした。

フェモラータオオモモブトハムシ味。

採集から3日後の夕方、嗅いでみるとイワユル杏仁豆腐、Dr.ペッパーに似た香りを感じる。

アーモンドエッセンス?あの香りだ。
香りのする昆虫といえば、ラフランスの香りがするタガメとか、桜の香りのサクラケムシあたりが人気どころなんだと思うが、それらに退けををとらないほど、歴とした杏仁豆腐のフレーバーを感じた。
食べると中身は程よくクリーミーさがあっておいしい。どことなく芋とか豆とかそんな感じの優しい味わいだった。そして噛むほどに杏仁豆腐の香りが口中に広がるのであった。皮が若干硬く、噛み切れず口の中に残る感じがあるが、カミキリ幼虫やクワガタ幼虫を食べた場合もこの現象はあるので、クリーミーな幼虫は皮が口の中に残りやすいのかもしれない。
フェモハムスイーツはいろいろ試し甲斐がありそうだ。

名古屋の友人が自前の燻製セットを持ってきてくれて、採れたてのフェモハム幼虫の燻製を作ってくれた。

スモーク前。

スモーク後。

燻すと色味も茶色みを帯びてくるから、美味しそう。
ナッツ類やチーズと一緒になると、フェモハムもあまり違和感なく溶け込んでしまう。もともと、どことなくカシューナッツに似ているものね。
スモークフェモハムは、サツマイモのような甘み、香りがあった。こちらは採れたてだったので杏仁の香りはしなかったが、これはこれで十分美味い。

松坂で採集したのち、名古屋にもフェモハムがいると聞いたので、翌日は名古屋の河川敷に行ったが、こちらのエリアにもフェモハムが大量発生していた。
フェモハムほどの強い繁殖力を誇る生物の場合、いまや完全に国内から駆除するのはもはや無謀かも知れないけれども、外来種を美味しく食べて駆除する試みは大いに取り組む価値があると思う。
外来昆虫だと、埼玉県川口市のタケオオツクツク、石川県金沢市にいるスジアカクマゼミ、全国の桜を食い荒らすクビアカツヤカミキリ幼虫などはおいしく食べることができる。
ということで、今回もご馳走様でした。フェモハムは杏仁豆腐の香り。

この記事を書いた人
小池 リョウ

昆虫食愛好家。グラフィックデザイナー・イラストレーターなど創作屋。
祖父母の影響で幼少時から自宅では蜂の巣から生きた幼虫を抜いて、炒めて食べるなどして家庭環境から自然と昆虫食に親しむ。
日々新たな昆虫の味の探求、創作昆虫料理、昆虫採集活動、イベント開催、デザイン、イラストでの表現など様々な分野を通じて昆虫食の世界を開拓中。

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