【危険】有毒昆虫ジャコウアゲハを食べて苦しんだ話

市販の安全な昆虫食品ではなく、自ら採集して食べる際、ひどくまずい虫や、食べると中毒症状を起こしたり死に至らしめる危険のあるおそろしい有毒昆虫も存在する。
今回は誤って筆者小池が有毒昆虫ジャコウアゲハを食べてしまった際の体の症状について書きたい。


また、あくまで私個人の体に起こった症状というだけで、医学的にきちんと裏付けられた信憑性は一切ないことを前提として読んでいただけたらと思う。見方によっては美談めいて面白おかしく醜態をさらしているように捉えられるかもしれないが、あくまで本記事は昆虫食における危険への注意喚起のひとつとして捉えていただければと幸いであります。

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有毒昆虫 ジャコウアゲハを食べた際の症状

ジャコウアゲハは、アゲハチョウ科のチョウの一種。 和名は、オスの成虫が腹端から麝香のような匂いをさせることに由来するらしい。

私は沸騰したお湯で茹でた有毒昆虫ジャコウアゲハの成虫の腹部を食べてしまった。
味は苦さはあったものの、吐き出すレベルの苦味ではなかったので、そのまま飲み込んでしまったのだ。
いま思えば、ロクに毒性も調べずに軽い気持ちで食べたのがいけない。

ジャコウアゲハを食べて1時間半後くらいに、徐々に激しい嘔吐感、腹痛に苛まれる。あまりの不快感に襲われ、トイレで胃の内容物をほとんど吐き出した。

その後、全身に蕁麻疹が走り、発熱などが起こる。身体中がひたすらに痒いわ、お腹は痛いわ、熱が出てダルいわ、あらゆる症状が同時多発のオンパレードで半ばワケのわからない状態で夜な夜な苦しみが続いてロクに寝付けず、ひたすらに苦渋の時間が続く。ぐおぉぉぉぉぅぅぅ〜…ッと奇声を漏らしながら布団の中を夜通しのたうち回りながら私はもがき苦しんでいた。そうか、これが毒か。
翌日までの3食は食欲が出ず、何も口にできなかった。そのあとは徐々に食欲も回復していったので良かったが、私の心はひどく落ち込んでおり、心身ともに食べる前よりだいぶ弱った感じであったと、食べた当時を記憶している。

病院に行こうと考えたけれども、お医者さんに面と向かって「あのぅ有毒の蝶を食べたのですが…」と話す状況を想像してみたが、ただ困惑するお医者さんの図が目に浮かび、まともに取り合ってくれなさそうな気がしたから、ひとまず医者にはかからないことに決めた。

その後何ヶ月かは、座ったりじっとした姿勢になると体の手足の末端が痺れるなどの症状が起こるが、日に日に症状は和らいでいった。しかしもう心身ともに懲り懲りといった感じである。

野生の昆虫を食べる際は、毒性の有無、その虫の食樹を調べて安全を確認してから食べることを徹底するべきである。と毒の恐ろしさを知ったからこそ心から言いたい。

ジャコウアゲハの毒 アリストロキア酸

さて、このジャコウアゲハの持つ毒の正体はいったいなんだろう?
ジャコウアゲハの幼虫は、ウマノスズクサを食草とし、その葉の中に含まれるアルカロイド系の有毒成分、アリストロキア酸を体内に蓄えている。

ジャコウアゲハ幼虫の食草 ウマノスズクサ。 他にもホソオチョウもこの植物を食草とするので、食べるのはNG!

調べてみると過去にはヨーロッパや中国、日本でも生薬、漢方薬として出回っている製品の中にアリストロキア酸が混入されていたことが原因で健康被害があったそうだ。このアリストロキア酸という成分には実際に毒性、発がん性や
変異原性(生物の遺伝情報に変化を引き起こす作用)
が示されているらしい。


この毒は一生を通してジャコウアゲハの体内に残るため、たとえば毒を溜め込んだジャコウアゲハ成虫を食べた野生の捕食者は中毒を起こし、ついには捕食したものをほとんど吐き出してしまい、2度とジャコウアゲハを食べなくなるというで。なるほどそうか。私も一緒だ…。今回身をもって大いにその中毒症状の恐ろしさを味わった。あれだけ苦しかったら野生動物もトラウマ級の衝撃で食べなくなるはずだ。私もいち動物として懲り懲りになってしまった…毒は本当に苦しくてたまらないのだった。

昆虫を食べる際の注意

何が言いたいかというと、美味しく安全に昆虫を食べるためには、先述の私のようにロクに調べずして安易に毒虫を食べないようにしていただければ幸いである。もちろんスズメバチの毒のように、熱を通せば分解される毒もあるので、そういった種類は安心して食べられる。少しでも「怪しいな」と思ったら意地やノリで食べずにきちんと事前に調べるということが大切。きちんと種類が同定できなかった場合は食べないようにしましょう。野生昆虫を食べる場合はどうしても最後は自己責任がつきまとう。事が起こってからではすでに遅いワケであるから、今後の明るい昆虫食文化の普及のためにも未然に事故を防いで安全に食べる事が不可欠なのだと思う。

以下、安全に昆虫食を楽しむための事項です。

●有毒昆虫(主にツチハンミョウの仲間、食草が有毒の虫。例えばジャコウアゲハやキョウチクトウスズメなど)は食べない。
●エビカニなど甲殻系アレルギーの方は注意。
●徹夜明けなど極度に疲労した状態で食べない。
●生食NG!十分な高温加熱を徹底しましょう。

文章…小池 亮

 

この記事を書いた人
小池 亮

昆虫食愛好家。グラフィックデザイナー・イラストレーターなど創作屋。
祖父母の影響で幼少時から自宅では蜂の巣から生きた幼虫を抜いて、炒めて食べるなどして家庭環境から自然と昆虫食に親しむ。
日々新たな昆虫の味の探求、創作昆虫料理、昆虫採集活動、イベント開催、デザイン、イラストでの表現など様々な分野を通じて昆虫食の世界を開拓中。

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