「外来種のセミを捕まえて食べる」という初の試み「金沢セミ会」たくさんの方のご協力により、
トラブルもなく、楽しく無事終了しました!
企画を立ち上げたのは昆虫料理研究会のメンバーである、虫フェスでもおなじみ蟲喰ロトワ氏。
単に美味しく食べようというだけじゃない、さらなる意義を見出す視点に喰ロトワ氏らしさがあふれている!
(今回は諸事情で企画のみになったけど、来年は是非現地へ飛んでください)
そしてスジアカクマゼミ発生現地とセミ会をつないでくれたのは、石川県ふれあい昆虫館の福富氏。
自分は「セミ料理指導」という名目で、昆虫料理研究会の古株である青年Hと、ライター玉置さんとの3名で現地入り。
開催日と翌日の2日にわたり、北國新聞さんが今回の金沢セミ会をご紹介くださいました。
記者の方が「社内にも食べたいと言っているものがおりまして…」と嬉しいことを言ってくださったので、
燻製や素揚げをいそいそとタッパーへ。大忙しのデスクで、無事召し上がれただろうか。
ちなみに記事にある「甘い」はスジアカクマゼミのことではなく、アブラゼミのお話。
下に書きますが、味に大きな違いがあってですね・・・!!
こちらが今回のターゲット・スジアカクマゼミ。
はじめて見た! が、中国や韓国では当たり前に見ることができるらしい。
確かにお腹に赤い縁取りがある。この個体のラインは赤というよりオレンジで、“ダイダイクマゼミ”といった趣だけど
もっとパキッとした赤いラインのものもいるそうな。
参加者はネット上でも募集したが、福富さんや地域の顔役の方が周囲にお声をかけてくださったおかげで約30名。
少な過ぎず多過ぎずの理想的な人数で、素晴らしい。
ちなみに皆でキメているポーズは「セミの幼虫」で、招き猫に非ず・・・です。
日中は蒸風呂みたいだったものの夕方頃には涼しい風も吹いてきて、
陽が沈んでいくなか田んぼに囲まれた公園は、セミとサギの鳴き声だけ。
時間の感覚がジワッとゆるやかになっていくようで、「は~金沢いいところだなあ」と心を奪われましたね。
東京セミ会でも必ず行う、お約束のカウントタイム。成虫は約85頭。幼虫は40頭ほど。
しかしスジアカクマゼミは実に捕るのが難しく、虫プロな皆様がいなかったら絶対ボウズ。悲しきボウズ。
東京で簡単にゲットできるアブラゼミ、奴らは野性を忘れているのではと思わせるほど苦戦させられた。
のどかな公園で「スジアカめ……!!」とギリギリしたのがこの夏のハイライトだと思うと、少し悲しい。
採取後はコミュニティセンターで料理&試食。「セミを食べるのははじめて」という皆さんも、サクサク料理を進めてくれて、大助かりでした。どなたも大変手馴れている。不器用な東京班は床にいろんなものをこぼしてスミマセン。
そしていよいよスジアカクマゼミのお味は・・・?
結論。爽やかな、苦み! 東京から一緒に行った青年Hは「ゴーヤみたいな味わいだ!」と衝撃を受けていた。
アブラゼミは肉に甘さとコクがあるのだが、この外来種のセミは予想外の味わい。
しかしこれはこれで酒が進んでしまいそうな、クセになる味わい。
来年も同じような味がするのか、これはちょっと継続的に味わってみたい。
以上簡単ではありますが金沢セミ会のご報告でした。
(機会があったらどこかでもう少し詳しく書きたいところ)
(余談)
この会を開催するために東京から金沢へ向かったわけだが、その間不在となるので、一応出発前にその旨を仕事関係にはアナウンスする。すると多くの女子からは「金沢? 素敵~!」なんて声が上がるのだが、あなたたちが羨ましがるスポットには全く立ち寄る予定がありませんことよ・・・とココロの中でつぶやく。虫屋のみなさんであれば「スジアカクマゼミ? 素敵~」となるのかもしれないが。