東京虫くいフェスティバル2024 虫食いレジェンド大集合 10月26日開催

2017年の開催以来、7年ぶりの東京虫くいフェスティバルが帰ってまいりました! 今年は、10月26日に阿佐ヶ谷ロフトAで開催します。また、イベント3日前には、ムシモアゼルギリコ50歳の誕生日ということもあり、こちらもみんなでお祝いしましょう。

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虫食エッセイ

第9皿 ダンゴムシでダンゴ寿司

おまえらは 虫にひどいことをしたよね?

「おまえらはダンゴムシにひどいことをしたよね」

ちょっと独特なこの言葉づかいは、巨大電子掲示板“2ちゃんねる”のスレッドタイトルだ。

ネットで虫について検索していると、何かしら2ちゃんねるにひっかかる。

2ちゃんねるはここで改めて説明するまでもなく、匿名利用がスタンダードのため、書き込まれた内容の真偽は知りようがない。

時間の無駄? と思いつつも“ダンゴムシ”とあると気になっちゃうじゃないか。

どれどれ……と開いてみると、これが意外に面白い。素朴でいてバカバカしく、しかも“あるある”と頷きたくなるものばかり。

「とにかくつっついて丸くしたよね(´・ω・`)」
ダンゴムシタッチの基本ですよね。

「エアガンの弾にしようとしてごめんね。(´・ω・`)」
丸くなったダンゴムシの姿、遠目に見ればサイズも色もBB弾そっくりだね。

「逆側にまるめようとしたよね(´・ω・`) ごめんなさいしないと、いけないね(´・ω・`)」
地獄で鬼に逆エビ固めされるね。

「バシルゥラアアアアァァァ!!!!!って絶叫しながらデコピンで吹き飛ばしたよね(´・ω・`)」
ドラクエの必殺技だね。

「トカゲの口に突っ込んで食わせたのごめんね(´・ω・`)」
トカゲはコオロギとか小松菜のほうが好きみたいだよ。

「花火で炙ったりしてごめんね(´・ω・`)」
自分は虫めがねで炙りました。ごめんね(´・ω・`)。

こんなてへぺろ的懺悔から、ダンゴムシがいかにオモチャにされているかがよく分かる。

とある教育系サイトのアンケートでも、「お子さんが故意に虫を殺したことがありますか?」に対する回答は76%が「あります」だった。

つまり多かれ少なかれ、破壊衝動は本能的に誰もが持っているということなのかもしれない。

おとなしさが仇となり、いじくりまわされるダンゴムシ

虫食いシーンもお得意な 悪趣味キング・神田森莉

そんな破壊衝動を、独特すぎる表現で描き続けているのが、カルトホラーマンガ家・神田森莉だ。

80年代に商業誌で発表された神田作品の一部をさくっと紹介すると、カルト教団の教祖が手足のないダルマ人間とわかると

信徒たちも我先にと手足を切り落としたり、鬼畜教師が生徒の体で楽器を作り腸で演奏したり、

フジツボびっしりの岩で背肉をそぎ骨をむき出しにして殺害したり。

臓物と血しぶきと胃の内容物が飛び交いまくり、ひとことで言えば、とにかく汚い(思い出しながら書いているだけで、おなかいっぱいです)。

そんなふうに創意工夫に満ち溢れた破壊描写が持ち味である神田作品だが、

“めった刺し”“人体改造”“はりつけ”と同じくらい虫食い描写も多いのが特徴で、前出のダンゴムシも当然のように登場するのだ。

『怪奇! 人間ダンゴムシ』(電子コミックス・神田森莉の地獄豪傑通信)では、

ダンゴムシを愛するダンゴムシ研究会がその魅力を伝えようと、ダンゴムシ料理をふるまうシーンが登場する。

ダンゴムシコーヒーにダンゴ寿司、ダンゴムシ炒め、ダンゴムシフレッシュジュース。

性格の悪い美少女が、これらを強制的に食べさせられる。

「ぐちゅっとつぶれる時のにがみと舌にピリッとくるイガイガっぽさが美味だよね!」

味を丁寧に解説するところも、さすが悪趣味キング・・・。

しかし生理的嫌悪感をゆさぶる手段としての汚料理とはいえ、そんなに悪くもないのでは? と思えるものもあった。

それは、ダンゴ寿司だ。

さすがに加熱しましたよ。

※このテキストは『TRASH-UP!!』 Vol.15で発表したものです。続きは本誌でお楽しみください

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この記事を書いた人
ムシモアゼルギリコ

フリーライター歴20年(※虫関連の記事以外、基本は別名義)。
2008年頃から昆虫料理研究会(内山昭一主催)に参加し、“虫食いライター”としての活動を始める。
TV、ラジオ、雑誌、トークライブ等で昆虫食の魅力を広めているほか、映画やバラエティ番組などに登場する“虫食いシーン”の、調理サポート等も行う。

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