昆虫食界のマグロのトロ「カミキリムシ幼虫」を採集して食べる

さて今回は、至高の美味昆虫 「カミキリムシ幼虫」について触れたい。
カミキリムシ幼虫というのは、昆虫食の界隈ではよく『マグロのトロ』と形容されるほど旨味が強いことで知られ、中身の肉のクリーミーな濃厚な味わいに驚く人も少なくない。昆虫食経験者らが『美味しい昆虫ランキング』なる格付けをすると、大抵の人が上位にカミキリ幼虫をノミネートさせてしまうほどの超人気者ぶりだ。しかし現在の日本では、食品として一般流通されておらず採集でしか手に入らないという入手困難さもあり、『食べてみたいけど、なかなかお目にかかれない』という方もきっと多いはず。

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①カミキリムシ幼虫を捕まえる。

はてさてカミキリ幼虫はどこにいる。
かつての日本では「鉄砲虫」「ゴトウムシ」と呼ばれ、薪割りをしている際に割った木材からカミキリ幼虫が出てきた!という目撃例が多かったようだが、近年は薪割りするシチュエーションもごく一部の人に限られ、材木を割るような機会もめっきり減ってしまったゆえに目撃例もずいぶんと減ったようだ。すなわちカミキリ幼虫を捕まえるためには、幼虫の食料となる木を探せば見つかる可能性大。最近では果樹園の木を食い荒らす害虫としても猛威をふるっている。著しく樹勢を弱らせてしまうので、ホトホト困り果てている農家さんもさぞ多いことだろう。食樹も幅広く、広葉樹全般ならば私はウスバカミキリの幼虫をよく見かける。また日本最大サイズのシロスジカミキリ幼虫はクヌギ、ナラ、クリなどのブナ科の木の中にいることが多い。お目当ての種類のカミキリ幼虫がいるならば、好物の木の種類を事前に調べておくのが良いかも知れない。

※採集の際の鉄則ルールとしては、
「個人所有の土地、私有地では許可なしに勝手に材割り採集をしないこと」
クワガタ採集などを例に挙げても、個人私有地の台場クヌギが心ない採集者に荒らされているようで、その点は採集者としての最低限のルールとして心得ていただき、たとえ倒木、朽木であってもまずその土地の所有者に許可を取ってから採集活動をしていただければと思う。筆者の私自身も採集者としてこれだけは徹底して守っていこうと思っている。

私個人的な感覚では、朽木、倒木の中でも枯れ枯れになった古い木でなく、水分の潤沢な生木に近い状態の木に多く住んでいるという印象。まず斧や鉈などでざっくりと倒木を割ると、小部屋のような虫食い穴が空いており、幼虫がうごめいているときがある。そこがカミキリムシ幼虫の住処である。


幼虫の住処を見つけたらドライバー、小型ナイフなどを使い、幼虫を傷つけないように細かい木の繊維を慎重に崩していく。すると幼虫のフォルムが次第に露わになっていくので、最後はピンセットで優しく摘めば、採集完了。

※フォルムが似ている幼虫で、「ヤマトタマムシ」の幼虫がいる。あのキラキラと輝く美しいタマムシの幼虫時代は、意外にもちょっと頭でっかちな独特なプロポーションをしている。
よくエノキの木の中で見かけることが多く、こちらもカミキリムシ並に退けをとらないくらい旨味があり美味しい。

ヤマトタマムシ幼虫。

②カミキリムシ幼虫を調理して食べる。

ここからはお楽しみの調理の工程。
カミキリ幼虫の定番は『バター醤油の串焼き』がおいしい。
今回は串焼きの調理工程を紹介したい。

①カミキリムシ幼虫を沸騰したお湯で3分ほど下茹でする。


②茹で上がった幼虫を、竹串で刺す。

③フライパンや網に串に刺した幼虫を置き、上にバターを載せたものを、表面がこんがりするまで焼く。

途中、醤油を適量垂らすと、とても良い香り。

と、まぁこんな手順で、カミキリ幼虫の串焼きの出来上がり。

焼きたてを食べると外側はカリッと、中身はクリーミーで、噛みしめると濃厚な旨味が広がる。こんなにも美味しい昆虫がいたとは。最初食べた時の衝撃はとても大きく、改めて昆虫食の世界は面白いなぁ〜と感じた。昆虫食の魅力のひとつは「捕まえて食べる」ことで狩猟本能を刺激する楽しさを手軽に体験できることかも知れない。採集活動を体験することで我々が生物としての原来備えた本能を呼び覚ますのかも。ジビエの鹿や猪と違って、誰でも無理なく採れるというのがまたいいところ。ということで、今回もごちそうさまでした!


↑採集・調理の映像も撮りましたので、こちらもどうぞ〜

文…小池 亮

レシピ昆虫採集
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