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『クリムゾンの迷宮』

2013.06.30 | Posted by giriko | Filed Under 小説、絵本その他, 虫カルチャーレビュー 

■著者:貴志祐介
■発行:1999年
■発売:角川書店
■虫:ウィチェッティ・グラブ

「虫食いシーンが面白いよ!」と友人に勧められた『クリムゾンの迷宮』

タイトルを聞き“サスペンスものかダークファンタジーものか”なんて思っていたら、“大人のバトルロワイヤル”といったところだった。

ある朝目が覚めると、そこは異様な景色の大自然。

“火星”と設定されたとある場所に放置された男女が脱出を試みるのだが、そこにはおぞましい罠がちりばめられていて…といった内容だ。

 

一体どこにいるのか、生き延びるためには何をすればいいのか。

 

それを教えてくれるのは、ひとり1台与えられているゲーム機の電源を入れると登場する、ナビゲーターのウサギ。

ウサギのプラティ君は大自然で生き延びるための知恵を小出しにしてくる。そこで登場するのが、虫食いなのだ。

 

「昆虫その他の虫は、食料源としては軽視されがちだな。外見からはあんまり食えそうに見えないからだろう。

だが、どこにでもいて、簡単に手に入るという点では、これ以上の緊急食材はないぞ。その中でも、最高の珍味は~」と語られる。

 

そして凄惨なゼロサムゲームの中、主人公たちは爬虫類、昆虫、植物を必死で食べて命をつないでいく。

 

そんな主人公たちの奮闘を読みながら

わあ~、爬虫類や哺乳類は捕獲が大変!

やっぱり虫は非力な女でも捕まえられる、いい食料だわあ!

と、ホクホクしたのはいう間でもない。

昆虫食愛好家は誰しも、プラティ君の解説や突如現れるアボリジニのアドバイスに

「イエス! イエス!」と拳を握りなら、絶賛同意するでありましょう。

 

ところで「クリムゾン」とは何ぞや?と(無知!)、ウィキ先生に聞いてみると、

クリムゾンまたはクリムソン (英語: crimson) は濃く明るい赤色で、若干青みを含んで紫がかる。彩度が高く、色彩環上ではマゼンタの中間に位置する。元は昆虫コチニールカイガラムシ(エンジムシ、学名 Dactylopius coccus)を乾燥したものから得られる染料の色であったが、一般的に赤い色を指し示すようになった”

とのことで、思った以上に虫三昧な小説なんでした。

※注:本筋は非常時における人間のドロドロというゾンビ映画に通ずるアレだと思うので、虫が嫌いな方でも楽しく読めます! 多分!