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『パンズ・ラビリンス』

2010.12.27 | Posted by giriko | Filed Under 映画, 虫カルチャーレビュー 

■英題:Pan’s Labyrinth

■監督:ギレルモ・デル・トロ

■制作:2006年 アメリカ・メキシコ・スペインの合作

■虫:ナナフシ、ダンゴムシ

薄幸の少女を誘う

ナナフシの妖精に注目

脚本、撮影、美術、メイクアップ等々、ゴヤ賞やアカデミー賞で数々の賞を獲得したというのも納得の世界観に圧倒されるこの物語は、薄幸の少女がパン(牧神)に出会い、迷宮(ラビリンス)に誘われるダークファンタジーだ。自然と神話が融合する世界では、虫もちゃーんと活躍している。

主人公は1944年のスペイン内戦で父親を亡くした少女オフェリア。

物語冒頭、母の再婚にともない新しい父親のもとへ車で山道を向かう。そして道中、休憩するオフェリアのまえに、突然巨大ナナフシがガサガサッと現れるのだ(これが本当――にでかくてな!)。ノーマルな少女なら巨大な虫を前に「きゃあ!」となりそうなものなのだが、ねじが少々緩んでいるようなオフェリアちゃんは「妖精よ…!」と目を輝かせる。

ちょっとちょっと、大丈夫なのかしらこのお嬢さん…なんて思っていたら、コレが何と本当に妖精だった。素晴らしい炯眼の持ち主だったんですね。

そして巨大ナナフシは、真夜中ブーンと再び登場、ポキポキした脚をじょじょになまめかしい造形に変体させ、キュートな妖精に変身する。ティンカーベルならぬティンカーバグ。(※羽は虫のままで十分使えるハズなのだが、見た目重視なのか葉っぱ型でございました)。ナナフシが愛らしい妖精に変身する映画なんて、史上初ではなかろうか。

そんなナナフシ・ティンカーバグに誘われ、オフェリアは地底の王国の守り人・パンと対面することに。

パンは言う。「あなたは地底の王国の姫君。ただし本当の姫君かどうか確かめるため、3つの試練を与える」

さてオフェリアは、試練をクリアして地底の世界に戻れるのか…?

個人的に押したいのは、前出のティンカーバグ変身シーンと、いい人なんだけどちょっと顔の怖い召使・メルセデスさんの豚のさばきっぷり。大佐がエヴァやジョーカー(Byダークナイト)見えて笑いが止まらず、大変グッジョブでございました。

でも、とどめを刺さないから、あんなことやこんなことになっちゃうんだな。