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『虫が演じるシェイクスピア』

2011.10.16 | Posted by giriko | Filed Under 映画, 虫カルチャーレビュー 

■制作:2006年 日本
■監督:岩木呂卓巳
■虫:カブトムシ、クワガタ、その他

ラブストーリーの古典が
斬新な演出でトンデモ劇に・・・!

ロミオ、どうしてあなたはロミオなの?

ひとめぼれからハイスピードで破局決定、苦肉の策で狂言自殺、そしてうっかり心中なんて、
携帯もメールもない時代は色々と大変だーという『ロミオとジュリエット』。

クラシックで知名度の高い物語であるので、新解釈作品はたくさんあるのだが、
「虫が演じるロミオとジュリエット」あまりにも斬新過ぎてたまげた。


物語の設定はこうだ。

カブト家とクワガタ家は敵対関係だ。樹液の取り合いか?
しかしカブトムシのロミオたちは、クワガタ家のふるまう秘蔵の樹液を味わいたい。
でも大丈夫! カマキリの魔法でクワガタに変身できるのだから(えー)。
そしてクワガタパーティにもぐりこんだカブトムシロミオはクワガタジュリエットに出会い、一目惚れ。
ところがなぜか魔法が解けてしまい・・・ああ、あなたはどうしてロミオ・・・というか、カブトムシなの?

というわけだ。

「虫がしゃべるよ!」だなんてジャケに書いてあったもので
『昆虫探偵ヨシダヨシミ』のようにおふざけなのかと思っていたのだが、まーびっくり。やつら、本気だよ!

撮影は無駄に豪華でオールマレーシアロケ。
クワガタジュリエットの声優さんはラブプラスの寧々さんです。
監督&脚本は経歴に「虫」がつかないことがない岩木呂卓巳。
ついでに「経済産業省 デジタルコンテンツ支援事業」なんて一文も発見(仕分けされててー)。

大変真面目に制作されています。

しかしロミオとジュリエットが出会うダンスシーンは、
茶色い地面でウゴウゴするばかりの虫たちにバリエーションの限界を感じたのか
真昼間に花の上で2匹があおむけでバタバタさせるという、ある意味死のダンス!

また、「お前が言うなセリフ集」も、スルーできない。

「腹の虫がおさまらねーぜ!」
「飛んで火にいる夏の虫とはお前のことだ!」
「この虫けらが!」

そして極めつけはジュリエットが自害する衝撃のラスト。

も・ち・ろ・ん、ロミオのアレを使います。
(ロミオがカブトムシってところでもうラストがバレバレだったりするのだが)

本編は24分だが、ある意味見応えはある。
しかし一番の見どころは、DVDに収録されているメイキング映像かもしれない。

虫愛を情熱的に振りまき「いまの、いいね!いいね!」と力強く虫の演技(?)を褒め湛える監督と、
その情熱と反比例するかのように疲労感がにじみ出た顔をするその他のスタッフ。

何気なく観ていると、うっかり本気でハラハラさせられるのでご用心を!

ちなみに制作会社のHPによると、

「虫が演じるシリーズ」続編企画進行中(日本昔話、世界の名作、3Dバージョン)とのこと。

もちろん続きは未だ発見できていない。
虫が演じる龍の子太朗をやってほしいのだが。

アマゾンのレビューによると、「大人も子どもも楽しめる」だそうです!