昆虫食ポータルサイト「むしくい」

第12皿 蝉食いトラウマンガ

2014.08.30 | Posted by giriko | カテゴリ 虫食エッセイ |  

季節柄、蝉のお知らせばかりが続きますが、
トラッシュカルチャーを追及する雑誌『TRASH-UP!!』にて連載させていただいている
「このマンガ(の蟲)メシが食べたい!」の最新回も、蝉。

主に怪奇マンガに登場するむしくいシーンを検証するという連載で、
今回取り上げたのは有名トラウマンガ『蝉を食べた少年』。

これは我々が毎年心底楽しみにしている「セミ食」を、トラウマ発症レベルにまで恐ろしく描写した世紀の問題作!!
「このマンガのせいでセミが食べられなくなった」と言っても、誰も困ってないみたいですけど!!

一昨年の虫食いフェスティバルでも実写版を作ってご紹介させていただいたものの、
まだ一度も原稿にしていなかったことと、実にTRASH-UP!!的な漫画であることよ…!と常々思っていたので
改めてこの連載で使わせていただいた次第です。

表紙
『恐怖体験3大百科』(ケイブンシャ)に収録の『蝉を食べた少年』(桑原京助)

(以下、原稿一部転載)

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「蝉は美味しい」そう言うと、「猫じゃあるまいし」なんて返される。

そうそう、猫がよくウニャウニャくわえてきて食べているのは、美味しい証拠なんである。
ホントに不味けりゃ猫も食わん……というのはさておきで、
「子どものころ、蝉を食べる漫画を読んでトラウマになった」という話しが、チラホラ出てくるのだ。

その蝉食いマンガは一時期ネット上で“幻のトラウマンガ”(トラウマを植えつけられたマンガのことを、通称“トラウマンガ”と呼ぶ)として話題に上っていた有名作品。しかも蝉を口に詰め込まれたり、夕食に出たエビで蝉食いを思い出してゲーゲー吐いたりなどのシーンを鮮烈に覚えているものの、出典がはっきりしないという共通点があった。

作品のタイトルは『蝉を食べた少年』。物語のあらすじは、こうだ。

虫好き少年のアキラくんが、粗暴ないじめっこに蝉を無理やり食べさせられたらセミ人間(特撮モノの怪人的な姿を思い浮かべていただければ)になってしまい、虫パワーでいじめっこに復讐しておしまい。

実に単純なのだが、絵がとにかく暗くて不気味で小汚く(いちおう褒め言葉)、西岸良平に日野日出志のエッセンスを振りかけた悪夢のようなタッチであったので、恐ろしいほどのインパクトを放ったのだろう。

 

この作品は、70~80年代に人気を博した、ケイブンシャの大百科シリーズのひとつ『恐怖体験3 大百科(288)』(1987年発行)に収録された短編である。大百科シリーズはスポーツ、特撮、ホラー、アニメなどジャンルも発行数も多く、収録されている記事の情報が少ないためどこに何が掲載されていたかを探すのは難しい。そのため『蝉を食べた少年』についての誤情報は多数飛び交い、単行本化もされていないことから作者もはっきりしない状態が長年続いていた。絶版マンガに明るい古書店・まんだらけ中野店マニア館のスタッフすらもHPにこんなぼやきを書いている。

――その噂の数とは対照的にまったく出てこない『本物』に一時期、出来る限りのケイブンシャの大百科をチェックし、この作品の真相を追い続けていた担当も、「ケイブンシャじゃないんじゃね?」や「そもそもそんな作品ないんじゃね?」と黄昏ていました

最終的には2012年にその筋のマニアによって発掘され、自分もその情報によってやっと入手できたものだった。

ちなみに小学生当時読んだという知人たちは、小学校の学級文庫や歯医者の待合室に置いてあったので何となく手にとり……という“うっかり読み”が多かったよう。怖い話しを好き好んで楽しんでいたのならトラウマも自業自得かもしれないが、うっかり手にしたとは適当に配られたおやつが自分のだけ腐っていた、みたいな運の悪さである。しかも日本に暮らす以上は毎夏嫌でも目にする、蝉!

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続きは蝉の美味しさをひたすら語っているので、むしくいマニアな皆様には耳にたこかもしれません。

気になる方はぜひ『TRASH-UP!!』Vol.19をチェックしてくださいませ。

 

 

 

 

今回の「90年代トラッシュ・ムービーガイド」は、紹介されているものをしらみつぶしに観る合宿をしたくなるラインナップ。虫映画が1本も無かったのがちと残念だけど。



【関連タグ】

第11皿 国民的マンガの虫食い

2014.05.19 | Posted by giriko | カテゴリ 虫食エッセイ |  

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カブトムシの幼虫は難しい。何が難しいって育て方ではなくもちろん食べ方が、だ。
腐葉土を食べて育つため、とにかく肉が臭いのだ。

しかし臭みのある食材なんてごまんとあるし、味付け次第で何とかなるのでは? と
先日コーカサスオオカブトの幼虫を手に入れて調理してみたが・・・
味も見た目も手触りももニオイも気分的にも200%敗北。

毒はないが、これほどまでに「オレを食うな!」と主張している虫がいるだろうか。
そして美味しく食べられなかったときの罪悪感がこれほどまでとは。

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第10皿 『はだしのゲン』とイナゴ串を味わう!

2013.09.20 | Posted by giriko | カテゴリ 虫食エッセイ |  

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日本人に最もなじみのある昆虫食・イナゴは、見た目も味も実に平和なのだが、
イナゴディナーが登場する〝あの漫画″が、どの作品よりも、怖い!

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第9皿 ダンゴムシでダンゴ寿司

2013.05.23 | Posted by giriko | カテゴリ 虫食エッセイ |  

おまえらは
虫にひどいことをしたよね?

 

 

「おまえらはダンゴムシにひどいことをしたよね」

ちょっと独特なこの言葉づかいは、巨大電子掲示板“2ちゃんねる”のスレッドタイトルだ。

ネットで虫について検索していると、何かしら2ちゃんねるにひっかかる。

2ちゃんねるはここで改めて説明するまでもなく、匿名利用がスタンダードのため、書き込まれた内容の真偽は知りようがない。

時間の無駄? と思いつつも“ダンゴムシ”とあると気になっちゃうじゃないか。

どれどれ……と開いてみると、これが意外に面白い。素朴でいてバカバカしく、しかも“あるある”と頷きたくなるものばかり。

「とにかくつっついて丸くしたよね(´・ω・`)」
ダンゴムシタッチの基本ですよね。

「エアガンの弾にしようとしてごめんね。(´・ω・`)」
丸くなったダンゴムシの姿、遠目に見ればサイズも色もBB弾そっくりだね。

「逆側にまるめようとしたよね(´・ω・`) ごめんなさいしないと、いけないね(´・ω・`)」
地獄で鬼に逆エビ固めされるね。

「バシルゥラアアアアァァァ!!!!!って絶叫しながらデコピンで吹き飛ばしたよね(´・ω・`)」
ドラクエの必殺技だね。

「トカゲの口に突っ込んで食わせたのごめんね(´・ω・`)」
トカゲはコオロギとか小松菜のほうが好きみたいだよ。

「花火で炙ったりしてごめんね(´・ω・`)」
自分は虫めがねで炙りました。ごめんね(´・ω・`)。

こんなてへぺろ的懺悔から、ダンゴムシがいかにオモチャにされているかがよく分かる。

とある教育系サイトのアンケートでも、「お子さんが故意に虫を殺したことがありますか?」に対する回答は76%が「あります」だった。

つまり多かれ少なかれ、破壊衝動は本能的に誰もが持っているということなのかもしれない。

おとなしさが仇となり、いじくりまわされるダンゴムシ

虫食いシーンもお得意な
悪趣味キング・神田森莉

そんな破壊衝動を、独特すぎる表現で描き続けているのが、カルトホラーマンガ家・神田森莉だ。

80年代に商業誌で発表された神田作品の一部をさくっと紹介すると、カルト教団の教祖が手足のないダルマ人間とわかると

信徒たちも我先にと手足を切り落としたり、鬼畜教師が生徒の体で楽器を作り腸で演奏したり、

フジツボびっしりの岩で背肉をそぎ骨をむき出しにして殺害したり。

臓物と血しぶきと胃の内容物が飛び交いまくり、ひとことで言えば、とにかく汚い(思い出しながら書いているだけで、おなかいっぱいです)。

そんなふうに創意工夫に満ち溢れた破壊描写が持ち味である神田作品だが、

“めった刺し”“人体改造”“はりつけ”と同じくらい虫食い描写も多いのが特徴で、前出のダンゴムシも当然のように登場するのだ。

『怪奇! 人間ダンゴムシ』(電子コミックス・神田森莉の地獄豪傑通信)では、

ダンゴムシを愛するダンゴムシ研究会がその魅力を伝えようと、ダンゴムシ料理をふるまうシーンが登場する。

 

ダンゴムシコーヒーにダンゴ寿司、ダンゴムシ炒め、ダンゴムシフレッシュジュース。

性格の悪い美少女が、これらを強制的に食べさせられる。

「ぐちゅっとつぶれる時のにがみと舌にピリッとくるイガイガっぽさが美味だよね!」

味を丁寧に解説するところも、さすが悪趣味キング・・・。

しかし生理的嫌悪感をゆさぶる手段としての汚料理とはいえ、そんなに悪くもないのでは? と思えるものもあった。

それは、ダンゴ寿司だ。

さすがに加熱しましたよ。

 

※このテキストは『TRASH-UP!!』 Vol.15で発表したものです。続きは本誌でお楽しみください

 

 



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第8皿 アンチエイジングな蟲喰い

2013.01.27 | Posted by giriko | カテゴリ 虫食エッセイ |  

年明けから早くも1か月近くたち、去年の虫フェスご報告さえ滞っているまま、大変遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

今更改めて言わずとも誰もが知っていることではありますが、今年は巳年。

そこで本年1発目の『TRASH-UP!! Vol.14 』に寄稿した記事は「蛇食い」です。

蛇をガスコンロで炙ってみた。いい香りがプーンと・・・。

え? 蛇は虫じゃないじゃん?! なんて声も聞こえてくるが、「蟲」は小動物全般を表す言葉ということでご容赦を。

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